お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

(写真あり)ヤモリに手玉に取られる/いきなり「メシュガー聴きたい」と言われたら

 

さて、数日前に家にヤモリが出たんですが、未だに逗留しています。写真も貼りますが、苦手な人……いるのかな? まあそういう人はお気を付け下さいませ。

 

 

 

こんな助言を頂いたりも。むむむ、それは可哀想だ。
というわけで見つける度に外に逃がそうとしているのですが、中々上手くいかなくて。

 

闇雲に追いかけるのではなく、窓なり玄関なりを開き外に誘導する動線を想定して追い込もうとしているのですけれども、毎回「えっそこに入れるの!」というようなところに入り込まれて失敗してしまうのですね。ヤモリ目線で周囲を観察できない……難しい……。


そんなヤモリの写真を貼ってみると、

 

 

 

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こんな感じです。暗いところで撮ったのでくっきりはっきりとはいきませんでした。かわいくない?

 

 

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どんくさいのか弱っているのか、走ると壁から滑り落ちたりします。やれやれ大丈夫かいな。

 

 

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#尼野メタル

 

昨日、とある編集さんがツイッターでいきなり「メシュガー聴きたい」と発言されてました。
メシュガーとは何者かというとスウェーデン出身のヘヴィメタルバンドで、Meshuggahと綴ります。

 

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いい加減メタルのネタも出尽くしたんじゃないかという21世紀に、新たなるムーブメントを打ち立てたすげーバンドです。
どんな音楽かというとこれは実際に聞いてもらうしかない。

 


なんかでっかい虫がひっくりかえってもがいてるのがしばしば映りますし、ホラーというかグロテスクというかそういうテーマの映像なので苦手な人は無理しなくていいです。虫は一匹だけですがなんかじたばたしてます。
逆に好きな人は心地いいかも。というかちょっとSAWチック。

 

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この何分の何拍子だかよく分からない複雑怪奇な曲展開と、異様なほど歯切れいい演奏。破壊的かつ切れ味鋭い音作りに、叫び声をぶち込み続けるボーカル。
それら過激な要素を纏め上げると、なぜかある種の聴きやすさと心地良さが生じるという摩訶不思議なスタイルです。なんか気持ちいいんですよね。
時計がギターに合わせて針を進める映像が挟み込まれますが、まさにこんな感じ。
1分で長針が、60分で短針が一周するというルールを破っているのは象徴的でもあります。音楽とはこういうものだという暗黙の了解を釘打機でどかどか突き刺すようなMeshuggahに、過激な音楽を求める若者たちは熱狂。我も我もと爆音をかき鳴らし、Djent(ジェントと読みます。ギターのこのズガッズガッみたいな音を擬音で表現するとそうなるんだとか)というジャンルを生み出しました。

 

 

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グロくないビデオもあるので貼ればいいかなと思いますが、でもこれはこれでなあ。
コメントで「ビデオの予算:4ドル」みたいなのが2000いいねくらいされてますが、まあ実際そんな感じの内容です。メンバー全員で最初から最後までひたすらエアギターエアドラム。なんやのんもう。


しかしこうして改めて聴いてみると叫んでいるヴォーカル、実際の叫びとはちょっと違うなーとか。
実際腹立つことを叫んでみると分かると思いますが、人間の叫び声には感情を乗せると音程と抑揚が生まれます。
かりに「なんでいつも俺がこんなめに!」と叫ぶとして、多分「なんで」にアクセント置いたり(お国言葉次第でもありますが)音程も上下しますよね。
比べて、Meshuggahのヴォーカルは「ナーン! デッイツモ! オ! レガ! コ! ンナメニーアアア!」みたいな感じで、一本調子とは言わないんですがどこか整然としてるんですよね。音の区切りでリズムを強調し、声を楽器の一つしているかのような。
歌詞も単語調べながら読んでも分かるような分からんような感じですが、まあこれはこれでいいんでしょう。逐語的に理解しなくても、この音の破壊力は体感できるでしょう。
「夢を濡らした涙が海原へ流れたら」とか、分かるような分からんような抽象的な歌詞でも直接感情に響いてきたりするでしょ? あんな感じ。

 

 

勿論言葉は言葉で大事なんですけどね。最近日本語ラップを聴く機会があって、やはり強調したいフレーズを魂込めて掲げるとやっぱり響くんだなあとか思いましたし。
色々な形があって、色々楽しめる選択肢があって、全部選ぶのもありみたいな現代は素敵な時代でありましょう。少なくともその点に関しては。



 

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そしてああそうか、ライブ貼ればいいのか。
このヘンテコな楽曲を完璧に演奏するからMeshuggahは凄い。今のご時世一周回って生の表現の価値のデカさにまた着目されているわけで、やはりMeshuggahが覇を唱えるに至ったのには必然性があるんだなと思います。
ぎゅーぎゅーのオーディエンスも楽しそう。押し合いへし合い転がりあい。



 

Bleedが入ってるのはこのアルバム。全曲あんな感じでメチャ気持ちいいアルバムです。
Tシャツも持ってたり。このつるつるの人が座禅組んでる不気味なデザインで、一緒に歩く相手のことを考慮すると遠慮してしまうやつです。でも格好いいTシャツやで。

 

 

あ。そういえば冒頭のメシュガー聴きたい発言すっかり忘れてましたが、どうなったかというと気づくのが遅れて反応するタイミングを逃しました。
その場にいたら「文字で表現して上げます。ドゥンダドゥンダドゥンダドゥンダドゥンダダダダ ア゛ー! ア゛ッアアア!」とか言ってあげられたのになー。
何事も間が悪いです。言うべきことは言えず、言わいでもええことは言うてまう。

BGM: Bleed / Meshuggah