お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

新作「大江いずこは何処(いずこ)へ旅に」が7月13日に刊行!

7月13日、二見書房二見サラ文庫様より新作「大江いずこは何処(いずこ)へ旅に」が刊行されます!

 

 

www.futami.co.jp

タイトル通り、旅をテーマにした小説です。

 

 

 

イラストレーターの大宮いおさんはご覧の通りとても魅力的な表紙を描いてくださったのですが、それに加えて素敵な紹介文を書いてくださいました。

まさにこの通り、かの伝説の旅人マルコ・ポーロと奇妙な縁で知り合ってしまった主人公が、彼と共に西へ東へ旅をするお話です。

 

 

 

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こちら、大宮さんに描いて頂いた表紙です。旅の楽しさきままさが伝わってくる、とても素敵なイラストですね!

サイドポケットから顔を出すちっこい誰か、首元でキラリと光る何か。この辺の正体は、是非本編を読んでいただければと思います。


執筆にあたりあれこれ本を読んだりもしましたが(特にマルコ・ポーロについては、教科書以上の知識がなかったのでいちから勉強しました)、やはり旅というなら自分が実際に行ってみる必要があります。
しかし、折悪しく執筆が自粛期間と重なり、取材は困難を極めました。
そもそも、旅に出ることはおろか、隣の県まで行くこと、あるいは家から出ることさえ控えねばならないような時期にこういう小説を書くこと自体が大変な苦労でした。内容もかなり変更せざるを得ない部分が出てきて、それをどのようにするかとても悩みました。


その苦しみを抜け、あるべき形で完成するところまで持って来られたのは、友人たちの励ましであったり、あるいは読者の皆様からの応援であったりしました。ここで改めてお礼の言葉を。ありがとうございました。
担当編集様、大宮いお様、サラ文庫編集部の皆様、校正者様、その他様々な方には実作業で多大な助力を賜りました。本当に感謝しております。

 


おおっと、何やら少しシリアスな話になってしまいました。尼野ゆたかのくせに!

実際のところ「いずこ」はそこまでハードアンドヘヴィな作品ということもありません。
たとえば今まで「お直し処猫庵」シリーズや「戦国昼寝姫」シリーズあたりを読んでくださっている方なら引き続き楽しんで頂けるであろうノリでして、
今回がはじめましての皆様にも手に取りやすい一冊になっていると思います。
つまりどなたにも読んで頂きたいというわけであります。よろしくお願いします!

 


世の中の混乱はまだ落ち着いたとは言えません。更なる打撃を受ける可能性も小さくはないでしょう。旅行も徐々に復活の兆しが見え始めておりますが、また再びできなくなるような事態が生じることも大いに考えられます。
そんな時期に旅の小説というのもどうなのだろうか、と考えなかったわけではありません。
しかし、むしろこの時期だからこそ出すべきだという結論に至りました。
旅の空とは、物語を読み想像の翼を羽ばたかせることで行ける場所でもあるのではないかと。

 


この「大江いずこは何処へ旅に」皆様の心の僅かな慰めになるならば、これ以上の喜びはありません。