お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

ドクターXの第5期が始まりました

基本ドラマその他は録画して自分のタイミングとペースで観る口ですが、知人に「ドクターX、生で観よう!」と誘われオンタイム視聴したので、その感想など。

 

 

ドクターXが帰ってきた

前シーズンはクリフハンガーもなく、あのまま終わっても満足な内容でした。しかし、始まるなら始まるでまあ楽しみに観ようぜって感じです。

 

内田有紀が数字を読み上げ、エンケンが泣きそうな顔をして、米倉涼子が下手な麻雀を打ち、悪い人たちは高い肉を食べて、岸部一徳は軽やかにスキップ。時事ネタがストレートにぶっ込まれ、医療用語にはテロップが出て、聞こえてくるのは「御意」「バイトかよ」「インオペ」「閉じるなー!」「メロンです。請求書です」「いたしません」なんて台詞の数々とSuperflyのソウルフルボイス。

お馴染みの要素山盛りで、待ってましたと大向こうですわ。マンネリとは呼びません。お約束と賞賛します。素晴らしい!

 

どれも借り物ではなく、このシリーズが自前で積み上げたギミックってのがまた圧巻ですよね。化け物の化け物たる所以。

 

遠隔操作でオペする米国教授の名前がジャイケル・マクソン*1とか、たまにとてつもなくチープなギャグが放り込まれるのも相変わらずでした。それに対して「なにそれ? スリラー?」と突っ込み入れるとかあんまりにもストレートで大丈夫かなとはらはらしましたが、

 

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知人は機嫌良く観ていました。みんなそんな感じかな。

 

個人的にはそのジャイケルマクソンさんが手術中にかけるBGMが、マイケルの曲ではなくストーンズの"Start Me Up"だったのが若干謎でした。スムースクリミナルとか今夜もビートイットでええやんみたいな。

 

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ストーンズのPVってそういえばちゃんと観たことがそんなにないのですが、ビル・ワイマン(ベースの人)だけ後ろにいてチャーリー・ワッツ(ドラマー)は映りもしないというサムネイルはイメージ通りというかなんというか。

実際には二人ともアップで映ったりするんですけどね。ちょっと照れたように目を逸らすチャーリーワッツがなんかキュート。

 

 

懐かしい顔が登場したそのわけは

田中圭段田安則のような懐かしの第一期メンバーが出てきたのにはうおっとなってケツが浮きました。前もって情報収集は最低限しかしていないのですが、周知とかはされていたのかな?

知人は段田安則の方を最初忘れていたらしくこの眼鏡の人は誰? とか言っていたのですが、

 

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論文ネタ辺りまでには思い出して面白がっていました。同じ人は少なくなかったかもしれません。めっちゃ論文でキャラ付けされてましたもんね確か。

 

エンディングがForceのオーケストラバージョンだったりして、彼らが出てきたのと呼応しているかのようだったのも面白いところです。原点回帰なのか、あるいは終わりを見据えた集大成なのか。

 

 

ロスジェネに逆襲はあるか

今回30代前半の医師に「ゆとり世代」というキャラ付け*2を行っているわけですが、その影に隠れるような立ち位置のロスジェネやその周縁の世代(具体的に言うと地方で苦労していた田中圭と、相変わらず名前を覚えてもらえない鈴木浩介)の悲哀や苦労がさりげなく織り込まれているのも唸らされるところです。

上からはパシリ扱いで毒饅頭の再現の準備をさせられたり、ガンガン自己主張する下の世代を必死でなだめたり、絶対に失敗しない医師の助手(つまりストーリーを動かすために失敗することが求められる役)を割り振られたり……という二人の姿が切なくて切なくて。彼らがきらりと光る瞬間はあるのだろうか。

 

 

なんにせよ楽しかった

期待を外さない、横綱相撲的な内容でした。今後も楽しみに待つ次第。 

 

ああ、おいで頂いた皆様には来月15日に発売される尼野ゆたかの新作「十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない」も合わせて楽しみにして頂ければ……!

 

便宜上各種ネットショップを貼っておりますが、勿論発売日となれば書店様の店頭でも購入可能となります。よろしくお願いします! 現時点での作品紹介はこちらです。

BGM: Force / Superfly

 

*1:深夜バラエティにもありましたよね

*2:公式の人物相関図にもそう書かれています