蝉・ロング
最近よく言われてることですが、セミの内訳が変わりつつあるそうで。
確かに一番耳にしますね。特に午前中。一匹一匹がやかましい上に集団で朝日が昇るなり鳴き出すので、このシャンシャンシャンシャンみたいなのを聞くと「また一日が始まってしまうなあ」という気分になってしまいます。
なんか温暖化や都市化にもガンガン適応してタフに生き延びてるらしいです。この騒々しさも適応力の高さ故かもしれません。
一方数を減らしているとされるのがヒグラシ。もう都会では聞けないらしいです。うちの近所では割と沢山いるのですが。
こんな感じで郷愁やもののあはれみたいなものを感じさせる鳴き声として扱われるヒグラシですが、実は間近で聞くと結構ラウドです。
金属質な雰囲気がしますよね。ふわりと広がるあの感じは、距離があってこそなんですねえ。
午後、その名の通り日暮れに鳴くイメージですが、実は明け方に鳴いたりもします。
真っ暗な中に響くヒグラシの声も乙なもんですよ。
同じく減少しているらしいのが、アブラゼミ。
地域によってはぜんぜん違うらしいですけれど。住んでる辺りでも、午後になればじーじーと鳴き出します。
ツクツクボーシも同じく減少しています。
うちの近所にはよくいるはずなのですが、今年はまだ声を耳にしてないです。去年の今頃はもう鳴き始めてたのにな。
このクランチーで切れ味鋭い鳴き声を聞かんと夏を乗り切った気がしないんですけどねえ。
逆に復活しているらしいのが、ニイニイゼミ。
乾燥に耐える力を得つつあるのと、温暖化を背景に北進しているのがその復活の理由なんだとか。
これまたうちの近所でも鳴いております。自分が持ってる耳鳴りに近くてスルーしがちなんですけども、気がつくと降ってきてる感じ。
同じく増えているらしいミンミンゼミ。
しかしうちの近所では今年聞いた記憶がありません。ワンセット終える時のミィィィ……が夏の暑さに苦しむニュアンス満載で味わい深いんですけどねえ。
こうしてみるとバリエーション豊かですね。この種類がいつまで保たれればなあ。無理なんかなあ。
日本の伝統! などと肩に力を入れて謎の自慢を繰り広げるつもりは毛頭ありませんが、この味わい深さを味わい深さと受け止められるのはやっぱりよいことでしょう。耳に染み入る蝉の声、様々な響きが入り混じる夏の旋律を長く楽しめたらなあ、なんて思うわけですよ。
BGM: 1916 / Motörhead