お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

高畑勲氏逝去

高畑勲氏が逝去されました。

 

記憶のキャンパスとしての高畑作品 

じゃりン子チエアルプスの少女ハイジ平成狸合戦ぽんぽこおもひでぽろぽろ、そして火垂るの墓……などなど、氏が関わった作品に思いをいたすと、小さい頃のぼんやりとした記憶が一緒になって蘇ってきます(かぐや姫あたりだと感覚的に「最近」なのでそうでもない)。

 

これは別に自分に限ったことではなく、ある年齢から下なら割合色々な人と共有できる感覚でしょう。

 

 

自分にとって、高畑作品のタイトルを見て一番に飛び出してくるのはやっぱりこの話です。別に木石の如く創作物に対して無感動な母親では全然ありませんでしたが、ここまでエモーショナルにあれこれ言うのはあんまりなかったので、強烈に印象に残っています。

 

父方の祖母(昭和一桁前半)も同じことを言っていた一方で、父方の祖父(祖母と同い年)は浮浪児に関してどぎつい表現をしていたような記憶があり、人によって同じものを観ても違うことをいうことを最初に教わった作品の一つだったような気もします。

 

「世代を超えて」とか「大人も子供も」とか、簡単に言われますけれど、本当に達成するとこれくらいのインパクトを持って記憶に焼き付くのだなあ、なんてことを考えました。

 

 

設定の緻密さ、だけではなく

 

これは在日公館のリップサービス……なんてことはなく、

 

 

たとえばドイツの地元向け報道でもこのように言われているようです。

 

 

これを見ると、「やはり設定を作り込むのは大事なのだなあ」と考えてしまうところですが、忘れてはならないのが「そもそも作品に圧倒的な魅力があるから」ということなんですよね。

 

例に挙げられている作品はすべて子供向けに作られていて、実際いつの時代の五歳児六歳児に魅せてもぽかんと口を開けて熱中するわけです。まず「作品としての面白さ」を達成し、それを助けあるいは更に伸ばすためのものとして「作り込み」があるのでしょうね。

特撮やプリキュアのような子供向けアニメなどでも、製作者の方々は「まず伝わる作品にすることを重視している」旨語っているのをよくお見かけします。

 

……というかまあ、人ごとのように言っていないでその真髄を我がものとするよう努力せねばならないのですけれどね。

成し遂げねばなあ。

 

火垂るの光は鋼をも輝かす

Arch Enemyというスウェーデン出身のヘヴィメタルバンドがいます。
絶叫のようないわゆる「デス声」と憂いを帯びた旋律とを融合させた音楽性で欧州において特に高い人気を誇り、最新アルバム「Will To Power」はフィンランドで公式チャート2位、ドイツで3位、スイスとチェコで5位など、メタルという枠に留まらないのではないかというレベルのヒットをしているようです。

ここ日本のメタルファンの間でもアルバムがチャートインしたり*1メタル専門誌の表紙を定期的に飾ったりと愛されているのですが、そんな彼らは7th「Rise of the Tyrant」において火垂るの墓にインスピレーションを受けて作った曲"The Day You Died"を収録しています。


海外のミュージシャンが日本向けのインタビューにおいて用いる定型文的なものがあって、日本人は礼儀正しい・親切・ライブ中真剣に聴いている・日本の歴史や文化が興味深い・食べ物が美味しい……あたりがよく見る王道で、最近はそれに「アニメが素晴らしい」みたいなのが加わった感があるのですが、"The Day You Died"についてはおそらく本当に心を打たれて作ったのだろうなあと思います。哀しみに満ちたメロディと激した感情をそのまま叩き付けるかのような攻撃性が交錯するArch Enemyらしさに、どこかいつもと違うフィーリングがあるように聴こえるのですよ。まあそう思って聴くからそう感じられるのかもしれませんが。

 

ARCH ENEMY | 激ロック インタビュー

若干ミヤザキハヤオと混同している気配がしないでもないですがまあそれはさておき、メタル者として「幅広く影響を与えた」というその幅がいかほどのものか記しておこうと思い書き留めた次第です。本当にすごいことですよね。

 

おわりに 

思いついたこととをりとめなく箇条書きにしただけで、まさしく雑な感想という意味で雑感ですけれども、まあそんなすぐにさらさら整頓できるはずもなく。こんなに長く書くつもりもなかったのですが、してみるとやはり大きな影響を与えてくれたのだなあって思ったりもして。

 

いやまあ、受けるだけ受けてるばかりではなくしっかり反響せねばならないのですが。頑張ろう……。

BGM: The Day You Died / Arch Enemy

*1:8thアルバム「Khaos Legions」がオリコン週間11位を記録

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