今更だけどコトバンクに精選版日本国語大辞典が追加されていたという話
そういや精選版日国がコトバンクに追加されましたね。ツイッターとかで呟いた気がしてたけど多分呟いてませんでした。ああ短期記憶が怪しい……。
今更尼野ゆたかなどが訳知り顔でいうことでもないですが、日本国語大辞典は出典つきの用例が豊富で、とても有益です。浅学の身にはまことにありがたいこと。
たとえば「経済」という言葉は「経世済民という言葉がeconomicsの訳として使われるようになった」というのが何となく一般的な認識としてふわっとありますが、日本国語大辞典ではそれ以前にも「人間の共同生活を維持、発展させるために必要な、物質的財貨の生産、分配、消費などの活動」としての用例があることが示唆されています。(出典は池田光政日記)
また『明治前期には、英語の economics の訳語としては「理財」を用いることが多く、「経済」に落ちつくのは後期になってからのことである』という補注も勉強になります。いずれもWikipediaにはない記述。
あと、無駄なく的確に要点を捉えなおかつ品格のある文章の数々ですね。これはやはり出版された辞典だからこそ。一つのツイートに言いたいことを押し込むのにも一苦労な尼野ゆたかからすると圧倒されるばかりです。
それにしても、大辞林と大辞泉と精選版日国にブリタニカ国際大百科事典などがいっぺんに引けるとか、コトバンクは簡易版ジャパンナレッジとでもいうべき感じになりつつありますね。すごいなあ……。
これからも活用されればいいですね。沢山使われれば使われるほど値打ちがでるはず。知識の基礎というか、知性の土台というか、辞典や事典はそういうものですから。
……ちょっと格好をつけすぎましたね。人の書いたものに乗っかってカシコぶるのはやめておこう……尼野ゆたかが舟を編んだわけではないですし……。
BGM: Just Like Lightnin' / Joe Satriani