お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

そういえばアントマン&ワスプを観たのでした

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先月の話ですが、書こう書こうと思って忘れておりました。ネタバレとかしよるで。

残念ながらタイミングが合わずIMAX等では観られず。MEGザモンスターとかザ・プレデターとかが早々に枠を持っていってしまったような。

 

 

といいつつ、観客はかなり沢山入っていたように思います。さすがのマーベルシネマティックユニバースなのかな。

 

最強のコメディリリーフ

その満席の客が、まーどっかんどっかん受けること受けること。一番激しかったのはスコットがピム博士の手を握ったあの辺でしょうか。あそこは女性の声も大きかった。

 

映画館では、ともすると一切のリアクションが許されない空気が漂いがちですが、コミカルなシーンの度に笑い声が巻き起こってました。全体的に重くなる傾向にあったマーベルシネマティックユニバースですが、アントマンスパイダーマンは肩の力を抜いて楽しく観られるような気がします。ソーも三作目はそっちに振った感がありますよね。

 

 

 

三大目ン玉ハリウッド俳優の一人、ローレンスフィッシュバーン(他二人は未確定)

では中身も軽いのかというとそんなことはなく、ピム一家側に軸足を置き、各キャラクターを適切に生かしながら見事にまとめ上げられていました。量子の壁を飛び越えた再会シーンではこみ上げてくるものがありましたね。

 

今回の敵役の扱い方も、自分には唸らされるポイントでした。なんせ本編では宇宙を揺るがすレベルの敵ときったはったしているので、今更敵の強大さ恐ろしさでストーリーを駆動させることはできないのですが(実際武器商人とか出てきてもちょっとスケールが小さく感じてしまった)、その制約を逆手に取るかのような活用がなされていたのです。

 

このシリーズにおいて、アントマンに変身する主人公スコット・ラングは諸々の理由で離婚し、愛する一人娘の親権も元妻に取られてしまいます。

その元妻は新しい相手(善良な人)と家庭を築くのですが、娘は今でもスコットのことを心から信じ慕っています。これはつまり、どこか「育ての親より生みの親」みたいなメッセージを作品が発してしまうわけで、ある種のバランスを欠くことは否めません。

そこで登場するのが、敵役ながらも血の繋がらない娘のために必死で頑張る横顔を持つビル・フォスターだというわけです。

演じるのがローレンス・フィッシュバーンで、彼があの印象深い目玉を剥いて「守る」と言えばそこには圧倒的な説得力が宿るわけで。メッセージはよりよい均衡を確保し、エンタメ作品として更なる安定感を獲得したのではないでしょうか。

 

 

向こう側からのイマジネーション

大きくなったり小さくなったりする。端的に表現するとアントマンのギミックはそれに尽きます。

口だけでそういうと単調になってしまいかねないところなのですが、しかしまあ手を変え品を変え様々な形で見せてくれるので全く飽きません。そうかこうなるのかという驚きが新鮮な興奮を巻き起こし、ワクワクさせてくれるのです。いやあ凄いなあ……。こういう視覚的なセンスにはどうにも欠けているところがあるので参考にしたいのですが、ほっと観てぱっと吸収できるなら苦労しませんわな……。

 

 

気になるところ ~きっといつかは~

冒頭の微笑ましい泥棒ごっこからインフィニティウォーを反映させたラストの衝撃的な引きまで、文句を付ける部分などまったくないのですが、一つだけ気になったのが恒例である原作者スタン・リーのカメオ出演でした。


毎回毎回ユーモラスに登場しては観ている我々をにっこりさせてくれるスタンリーおじいちゃんですが、恒例な一方マジの高齢(今年で96歳)でして、今回はその年齢を結構感じてしまったというか何というか。
ワンシーンのために色んなパターンを撮ったという記事もありましたし、96歳としてはありえないほどかくしゃくとしてはいるのでしょうが、それでもきっといつかはカメオ出演から引退してしまうのかもしれないのかなあ……なんてことも考えてしまったのでした。この前来日した時も移動は車椅子だったそうですしね……。

BGM: Born Again / Primal Fear