徒らに百科全書的な知識のジレッタントを作ることを目的とせず
誉田龍一先生著「日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記」。元手がない、米がない。お侍さんの形而上的な魂やら一分やらではない、現実そのものとの取っ組み合いが楽しい。「ちょける」「いけず」「最前」といったナマの(そして急速に失われつつある)上方言葉も満載で愉快でした。今後も気になりますね! pic.twitter.com/AiewilaRWR
— 尼野ゆたか@「お直し処猫庵」発売中! (@amano_yutaka) October 3, 2018
誉田龍一さんの「日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記」は、角川文庫から出版されています。面白いんですよこれ。続編あったら素晴らしいですねー。
その「日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記」の巻末には、名文「角川文庫発刊に際して」が。
最近のにはなかったりするんですが、あるとやっぱり読んでしまうなあ。
「芸術は万人によって愛されることを自ら望む」とか、「新鮮で強烈なアイ・オープナーたりたい」とか、「それは知識の泉であるとともに感受性のふるさとであり」とか。発刊に際して書かれた文章にはハッとさせられる部分、今風に言えばパンチラインが満載です。
熱心な読書子とは到底言えない自分ですので全文暗唱することはかないませんが、それでもいくつも心に残っています。筆の力とはこういうものを言うのでしょうね。
BGM: Do It Again / Steely Dan