お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

解体心象

先月くらいから、近所で二件立て続けに住居の解体が行われています。

 

 

無論景気が良くなって開発が進んだとかそんなことではなく、たまたまですね。まあ日本社会のご多分に漏れず高齢化が進んでいて、高齢者が独居で暮らすには少々キツめの地域ではあるので、その絡みはあるかもしれません。

 

しかし解体って派手ですよね。ずごーんどごーん、めきめきみしみしゆらゆらといった感じで、擬音にするとほとんど地震と変わりません。

集中している間は別に気になりませんが、ふと手を止めると興味を惹かれてしまって難儀です。見覚えのある建物が、一体どういう風に解体されていくのか気になるのです。

 

めきめきと崩れる音がしたり、ばきりと剥がす音がしたり。

チェーンソー的な唸りが響いたり、ごんごんと何か硬そうなもので殴ってたり。

作業員の人たちがあははと笑ったり、あるいは緊迫した声で叫んだり(意外と多い。危険と隣り合わせなんでしょうね)。

音だけでもこの通りバリエーション豊かです。きっと一つ一つ凄いことが起こっているに違いありません。

しかし作業の現場は防音用のシートで(緑色のヤツ)覆われていますし、シートを外してからも現場の前で突っ立って眺めるわけにもいかず。見せ物じゃないですからねえ。

 

そうこうしているうちに更地になって、真ん中に小さめのショベルカーがぽんと置いてあったりするわけです。いつの間にここまで綺麗さっぱりなくなるのか。何とか居ながらにして解体現場を見物する術はないものか。

BGM: The Sound of Silence / Disturbed