お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

フィギュアスケートとロック

観ようと言われたので、フィギュアスケートのワールドグランプリのカナダ大会男女フリーを観ていたのですが、突然ぱらりろぱらりろと若干耳覚えのあるフレーズが。ん……これは……Metallica!?

 

 

ロックするフィギュアスケート 

フィギュアスケートといえばクラシック音楽というイメージですが、実際のところ様々な音楽が使われていて、耳慣れたフレーズにむむっとなることもしばしばあります。最近だと、かの羽生結弦ゲイリー・ムーアのパリの散歩道を使ったことが印象深いところですね。

 

 

む……埋め込み再生不可なのか。

アップロードしているのはOlympicというユーザー名ですが、確認済みマークがついているのでオリンピックのYoutube公式チャンネルなんですね。びっくり。

 

 

パリの散歩道を収録したアルバム。

ゲイリー・ムーアは、貴公子然とした羽生くんとは対照的なむさ苦しいおじさんです。でも音楽はいいのですよ。「Wild Frontier」や「Victims of the Future」、「Corridors of Power」や「After the War」などなど名盤が沢山あります。

 

あと、ハードロックナンバーでよく覚えてるのはプルシェンコScorpionsの"Maybe I, Maybe You"をエキシビションで使っていたこと*1。たまたま観たんですが、とても強いインパクトがありました。ロマンチックなバラードとスケーティングが一体化してたんですよねえ。

 

アレクサンドル・サマリンのプログラムがハード&ヘヴィだった

冒頭の話に戻りますと。メタリカの曲だからといって、ごついギターとやかましいドラムがリンクに響きわたったわけではなく、繊細で叙情的なピアノのメロディでした。

 

 

"The Unforgiven III"。Metallicaの9thアルバム「Death Magnetic」に収録されている曲です。自分らからすると最近の曲……という感じですが、もう10年近く前の曲ですし、自分にとってオンタイムのMetallicaはこの辺だ! という人も多くいらっしゃるでしょうね。

 

世界各国でチャート1位を総なめにしたアルバム。日本のオリコンでも最高3位にランクインしました。

出た当初は「ムム!?」という感じだったのですが、改めて聴いてみるとこれはこれでいいなあみたいな。Metallicaのアルバムが出る度にそんなことばかり言ってる気がします。

 

さてこの"The Unforgiven III"を聴いていると分かりますが、途中で結局ごついギターとやかましいドラムが入ってきます。一体どうするのだろうと思いきや、ピアノの部分だけを繋ぎ的に使い、違う曲が始まるというメドレー編集がなされていました。流れだしたのはなんと「朝日のあたる家」。

 

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元はアメリカのフォークソングで、様々なアーティストに取り上げられてきたスタンダードナンバーです。メタル系のバンドにもちょいちょいカバーされていますね。

 

上はオーディション番組で女性が歌っているものですが、今回プログラムに組み込まれていたのは、スケートの氷が融解するほど暑苦しいおっさんボーカルと激しい演奏のハードロックバージョンでした。おおとなって調べてみたら、デイヴ・エヴァンスなる人のものだそうで。

うーん誰だっけ……なんか聞き覚えがある……ってええっ! AC/DCの初代ヴォーカル!?

 

 

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AC/DCはオーストラリアのバンド。日本ではそんなに知名度高くないのですが、全世界でアルバム売り上げが2億枚以上という大物です。

ハリウッド映画やら海外ドラマでも頻繁に曲を使用されているバンドでもあります。"Back In Black"も、思い出せるだけでもスーパーナチュラルやらアイアンマンやらで使われていました。

ちなみに上の動画の人はデイヴ・エヴァンスではなく3代目ボーカルのブライアン・ジョンソンで、

 

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デイヴ・エヴァンスはこんな感じの人。労働者階級スタイルのブライアン・ジョンソンよりも、より分かりやすくロックなおじさんですね。

 

 

 

デイヴ・エヴァンス版の朝日のあたる家が収録されたアルバムです。原題は"House Of The Rising sun"。CDは大体品切れですが、Amazonではmp3が買えたりするようですね。

 

 

いやー、こんな選曲もあるんだな! と圧倒された感じです。あれだけ激しい音楽も飲み込むとは、フィギュアスケートは奥深い……。

 

 

ちなみに演技は?

さて、熱い選曲をかましてくれたアレクサンドル・サマリンですが、演技はどうだったのでしょう。自分は4回転跳んで凄いーくらいの感じしか分からないので、誘ってきた知人に評価を聞いてみました。

 

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出典:アレクサンドル・サマリン - Wikipedia

 

すると、「採点ではジャンプが重視されるので、四回転をしっかり決めてくる点では将来有望。あとは激しい音楽を生かし切るくらいの表現力が備われば」とのことでした。なるほど。

 

 

ちなみに知人のイチオシは、宇野昌磨は勿論として今回二番だったジェイソン・ブラウン。

 

 

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出典:ジェイソン・ブラウン (フィギュアスケート選手) - Wikipedia

 

 

普段からやや仕草が女性っぽい彼ですが、実際女性的な柔軟性が身上らしいです。ジャンプでは他の選手に一歩譲るものの、表現力の高い演技はとても素晴らしいのだそう。そう言われてみると、なるほど確かにしなやかな感じだなあと思えてきます。

 

なんでもジャンプで負けるのは相当なハンデとのことで、しばしば苦戦を強いられているみたいですが、逆境にもめげず自分の特性を磨いて天才達に果敢に挑む姿勢には共感を覚えたりもします。がんばれー。

BGM: The Unforgiven / Metallica

 

  

amanoyutaka.hatenablog.com

 

オリンピックを見て書いた続編。

 

 

 

*1:当時は本番の演技で歌入りの曲が使えなかったが、余興的な要素が強いエキシビションでは用いられていた