お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

装備:高枝切りばさみ

実家へ戻ってきました。単なる楽しい帰省というわけではなく、重要な使命を帯びての期間です。

それは庭の木を切ること。前にも書いた通り狭い庭ですが、いつからか得体の知れない木が生えて野放図に生長するので始末が必要なのです。

 

 

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と思っていたのですが、その得体の知れない木はこんな状態でした。

ああそうだ……大分前にのこぎりで真っ二つにしたんだった……。

断面が真っ黒で闇のパワーに侵食されているみたいになっていますが、ご覧の通り脇からはもりもり新芽が生えてきています。生きる気満々ですね。

ためしに白鵬を意識して力強く鉄砲を行ってみましたが、大変しっかりした感覚でダメージを受けてしまいました。い、いてえ。

 

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切らねばならないがこちら。キンモクセイです。

こちらは由来が明らかで、母親が以前のパート先のスーパーで種をもらって植えたものです。樹齢は15年程度。

この鬱蒼とした感じからも分かる通り、外から見ると実家が荒れ果てた空き家みたいになっているので、剪定をしないといけないわけです。

 

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アイテムはこれ。何の変哲もない高枝切りばさみです。あとは小さい園芸ばさみ。

さあ、いざ作業開始です。颯爽と庭仕事をする尼野ゆたかの姿をアップし、ファンの数を激増させましょう!

 

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なんだこれは! ぱっとしないことこの上ないじゃないか!

 

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おのれ母ちゃん……格好良く撮ってぇゆうたのに……!

ガリガリな実物よりも相当に丸っこく写っているのが謎です。母から見るとこんな姿をしているのでしょうか。

なんにせよ困ったものだ……一番格好良いのがACCEPTのBilnd RageのツアーTシャツです。なんてこった。

 

 

ちなみにACCEPTはドイツ出身のメタルバンド。980年代に活躍し、近年再結成いたしました。

本国ではアルバムが国内チャートトップを記録するような人気ぶりで、ライブもとても格好良いです。

 

再結成後の曲で一つ挙げるならやはりこれかな。ヘヴィメタルが世界中でパンデミックだぜみたいな感じの曲です。最高すぎる。

 

 

というわけで、外見は冴えずとも気分と服だけはメタル魂満開でぱちぱち切っていると、母がひーと悲鳴を上げました。

何事かと思ったら、

 

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蝉がおりました。後ろにピントがあっていて分かりにくいですが蝉です。特に鳴くでもなく漫然と木に張り付いてました。

ここで気になるのがたかが蝉でなぜ母が狼狽えるのかということですが、子供の頃田舎に遊びに行ったら蝉を持った親戚のお姉さんに追っかけ回され、すっかり苦手になってしまったのだそう。

母は深層の令嬢でも都会っ子でもない割に虫嫌いで長年不思議に思っていたのですが、そんなところにトラウマがあったとは。ひょんなことから家族について理解を深めることができてしまいました。

 

 

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木には抜け殻もひっついていました。いわゆる空蝉ですね。また後ろにピントがあってるのは気にしない。眩しくてピントがあってるかどうかも分かれへんかったのです。

 

ほかにも木に三つ四つ、地べたにも三つ四つ、家の前の溝にも二つ三つ転がっていました。多すぎやろ! ダース単位で蝉が飛びたっとるやないか!

知らない間に我が実家が蝉のコロニーになっていました。そのうち乗っ取られてしまいそうです。

 

 

そんなこんなで延々ぱちぱち枝を切っていましたが、だんだん焦れてきました。切っても切ってもきりがないのです。

首は痛いし腕はダルいし何より暑い。漆黒のメタルTシャツは塩を吹いてあまりメタリックでない模様が染め出され始めました。

そもそも、なぜこんなクソ暑い日に枝切りをしているのでしょうか。孫子には、「鷙鳥(しちょう)の疾(はや)くして毀折(きせつ)に至るは、節(せつ)なり」とありまして、鷲の一撃が強力なのはタイミングがばっちりだからみたいな意味になります。こんな時期に枝切りをするのは鷲とは言えません。せいぜいが鳩の一撃でしょう。ポッポー。

 

 

とはいえ当然ですが、鳩の真似をしていても剪定は終わりません。かくなる上は、作業工程の合理化を図る他ありません。

すなわち、先端をちまちま切るのではなく、もっと幹に近い部分をじょきんとやることにしましょう。そうすれば枝切りもさっさと終わって家に入り、下の妹*1が冷蔵庫に貯め込んでいるアイスをこっそり食べるのです。覚悟しろキンモクセイ

 

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すると高枝切りばさみが壊れてしまいました。上の画像と比較すれば分かりますが、締まらなくなりまったく切れなくなってしまったのです。高枝切りばさみを使う機会が中々ないこともあり、なにがどうなって壊れたのかよく分かりませんが、とにかく使い物にならないことは確実でしょう。

あるいは、これはキンモクセイの罠だったのかもしれません。枝を切らせて骨を断つみたいな。なんてことだ……木の方がよっぽ兵法に通じてるっぽいじゃないか……。

蝉とかキンモクセイとか、実家は強敵に囲まれています。いつの間にうちの実家は真田家の領土みたいになってしまったのでしょうか。

 

などとアホなことばかり言っていますが、作業の結果を整理すると「木の剪定は中途半端な上に高枝切りばさみを破壊した」みたいな感じとなります。な……なにをしに行ったんだ……。

母は大分ましになっと慰めてくれましたが、何ともかんともしょんぼりでした。どうしてこんなことに……すまん実家のみんな……。

BGM: Aiming High / Accept 

 

 

Web拍手のお返事 00:20 新ブログめっちゃ重いです(;´Д`)
貧弱環境だと数秒フリーズ後更に読み込みに1分くらいかかる……。

これは失礼しました。貴重なご意見ありがとうございます。多分7記事分トップで読み込むデフォルトの設定ままだったので、重くなってしまったみたいです。お手数おかけしました。 修正しましたが、いかがでしょうか?

 

  

*1:妹は二人いまして、下の妹だけ実家に住んでいます