お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

最近聴いた一枚~Mors Subita「Into The Pitch Black」

フィンランド出身のMors Subita。モルスもスビタも見慣れない単語ですが、これはラテン語で"Sudden Death"という意味だそうです。サドンデス方式のことではないでしょうから、本来の意味通り突然の死を意味しているのでしょうね。メタルだね。

 

 

「 Into the Pitch Black」は彼らの最新アルバム。デスボイスと厳つい演奏で激しく攻め立てつつ、要所要所で憂いを帯びた旋律が繰り出される作品です。

 

 


様々にテンポのギアを入れ替えながら、だれずに最後まで聴かせてくれます。"Shadows"みたいなゆっくりめの曲が後半に登場し、しかもアルバムの中で効果的な役割を果たしているのは見事の一言です。

冒頭の小曲"Path To The Abyss"で聴かれる印象的なメロディが、ラストの"The Void"でもう一度姿を変えて登場する循環的な構成にも唸らされます。

 

 

 

 

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名刺代わりの一曲となりそうな"As Humnaity Weeps"。むさ苦しいメンバーたちの演奏シーンのみという潔い構成のPVが、そんな印象を強めます。

アルバムでは初めの30秒程度を"Path To The Abyss"というタイトルを付けてトラック切ってますけど、このPVでは最初の部分に繋げてますね。それだけ大事な旋律なのかな。

 

 

 

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もう一曲PVになってるのがこちら。ブラストビートも飛び出しアップテンポで攻めまくる楽曲に総合格闘技のシーンが挟み込まれ、より攻撃性が強められる……はずなのでしょうが、サムネイル右側の人の「永」っていうタトゥーが気になるのと、ノックアウトされた選手をデス声で起こそうとしているように見えてしまうシーンが微妙に面白くて。

 

 

 

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上でも触れた"Shadows"。北欧の雄大すぎる自然が、ただそれだけで圧倒的な説得力と化して迫ってきます。「フィンランドは寒すぎて住む人間の気質が憂鬱になる」みたいなことをとあるフィンランド人のミュージシャンが(冗談交じりでしょうが)インタビューで話してましたが、この圧倒的な雪景色とそれをバックにして流れるメランコリックなメロディラインを味わっていると、その言葉もまんざら嘘ではないのかもと思わされます。

 

 

今週末にかけて、この前書いたBeast In Blackなどと一緒に来日するんですよねー。これだけ格好良い音楽をやってる割にメタルの世界でもそこまで知られてないっぽい彼らですが(まあ自分も来日すると聞いて初めて知りました)、今回の来日を機に転機を迎えればいいなーなんて思う次第です。

BGM: The Void / Mors Subita