お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

ジーノ・ロートが亡くなったと

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うーんマジかー……。

 

 

Scorpionsのギタリストとして著名なウリ・ジョン・ロートを兄に持ち、自信も自らの名を冠したバンドZenoで1986年にデビュー。その際にはレコード会社により100万ドルとも言われる高額な契約金が用意されたとかなんとか。

 

生きながらにして伝説のように語られる偉大なギタリストである一方、時々深遠すぎたりしばしば自分であまり上手くない歌を付けたりする兄と違い、ジーノの音楽はとても親しみやすく、2ndの「Listen To The Light」などはHR/HM初心者の頃には本当によく聴いたものです。

 

 

 

今は亡きレーベルであるゼロ・コーポレーションから発売されたこのバージョン。最後に"Walking On The Thin Line"っていうボーナストラックが入ってて、割合格好良い曲だけどすごいつけたしのおまけ感があるやつ。
 


 ねっちりしながらよく伸びるというぜんざいの餅みたいな声を持つマイケル・フレクシグが歌い上げるメロディは、様々に表情を変えながらアルバムを通して聴く者の胸を打ち続け、ジーノの才能の豊かさを感じさせてくれます。
 
ジーノのギターでまず印象に残るのは、スピーディな"Meet Me At The Rainbow"や壮大な"Listen To The Light"などにおける歌メロを踏まえて展開するソロですね。ただヴォーカルラインをなぞるのではなく、エレクトリックギターならではの煌びやかさを纏わせ高らかに鳴り響く様は、実に感動的です。
 
改めて真剣に聴くと、ベーシストのウレ・リトゲンのプレイも弾むように雄弁ですね。ウレが後に結成するFair Warningではここまでぶりぶりぶんぶんしてなかったような。
ドラムは打ち込みらしいんですけど、にもかかわらず楽曲に生命力が脈打っているように感じられるのは彼の踏ん張りによるところなのかも?
 


 
ジーノ・ロートは作品の発表ペースが遅くて、気まぐれなタイプなんかなあとも思っていたのですが、なんでも長く病を患っていたそうで。そうだったのか……。
ずっと曲作りには取り組んでいたようで。61歳。早すぎる死だなあ……。
BGM: Eden On Fire / Zeno