お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

最近聴いた一枚 ~ 「Heavy Rock Radio」 Jorn

趣味はと聞かれればとりあえず堂々と上げる程度にはハードロックやヘヴィメタルが大好きです。最近色々とやらねばならぬことがあって、ゆっくり聴く時間を取ることが中々できていませんが。あああ。できることなら毎日一日十時間聴いていたい。

 

 

だというのに最近の日記と来たらこんな感じです。

 

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なんということでしょう。まるでV系好きで洋楽ロックも聴き始めたちょっぴり自意識過剰な感じの少女が書いてるアメーバブログみたいなタイトルの並びです。

本当に10代の少女なら問題ないのですが、なにぶん正体は尼野ゆたかです。ちとよろしくありません。メタル魂を取り戻さねば。最近聴いたアルバムでも取り上げよう。

 

 

 

概要


ノルウェーのメタルバンド、Jornのリリースしたカバーアルバムです。
中心人物でバンド名にもなっているヨルン・ランデの暑苦しくも圧倒的な歌を中心に据えた直球メタルが彼らの身上ですが、このアルバムでは他のアーティストの曲を自分たち流にアレンジして演奏しています。

ちなみにこのカラスみたいなのは、毎回Jornのジャケットに登場するマスコットキャラクターです。今回はラジオということでリスナーのリクエストに応えるDJに扮しているわけですね。

 

やたらと幅広い選曲と、それをまとめ上げる剛腕ならぬ剛『喉』

それだけならよくあるカバーアルバムですが、この「Heavy Rock Radio」の特徴はバリエーション豊かな選曲です。

有名どころだとQueenの"Killer Queen”とか、大人気ドラマGleeでも使用されたJourneyの"Don't Stop Believin'"あたりを。

女性ボーカルものでABBAのフリーダの"I Know There's Something Going On"やケイト・ブッシュの"Running Up That Hill"を。

渋いチョイスのHR/HMとしてはIron Maidenの"Final Frontier"やポール・スタンレーのソロアルバムの曲を。

彼の十八番であるハードロックナンバーとしてはBlack Sabbathの"Die Young"やDioの"Rainbow In The Dark"、Deep Purpleの"Stormbringer"、Foreignerの"Rev On The Red Line"などを取り上げています。

 

実にばらばらですが、驚くほどしっかりした統一感でもってJornのアルバムとして成立しています。かっちりした演奏に支えられたヨルン・ランデの歌が、ねじ伏せて染め上げている感じ。メタルバンドでも顔になるのはボーカルなのだなあ、と当たり前のことを再認識させてくれます。

 

愛すべきPV

 

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Eaglesの名曲"Hotel California"もカバーしています。元曲が素晴らしいので激しいギターと上手いボーカルが乗ればそれだけで格好良くなるわけですけれども、摩訶不思議なのがほぼ最初から最後までヨルン・ランデがたき火しながら歌ってるだけというビデオの構成です。それホテルじゃなくて野宿だろみたいな。

 

他にもなぜかこのアルバムの曲は沢山PVが作られているのですが、ヨルン・ランデが人のいない劇場で歌っていたり、ヨルン・ランデが風の強い水辺で歌っていたり、ヨルン・ランデが屋敷の中を歌いながら歩いていたり、ヨルン・ランデがクソ寒そうな冬の森や凍った湖のそばを歌いながら彷徨っていたり、もうこれなんやねんみたいな作りのものばかりです。

 

でもなーんか好きなんだなあ。メタルのPVはこれくらい垢抜けない方が共感できるというかなんというか。

無論、メタルのPVにだって格好良いものや胸を打つものも沢山あります。でもなんかそういう「ご立派なもの」にはない、どこか親近感をおぼえさせてくる何かをこういうビデオは感じさせてくれるのですよねえ。

 

 

ちなみに本国ノルウェーのチャートではこのアルバムが23位まで上昇したとかなんとか。割と人気なのかヨルン・ランデ。

BGM: I Don't Know / Jorn