お茶零した。

作家・尼野ゆたかの日記です

止揚の使用を封印しよう?

担当さんから原稿について改善するよう言われた時、どうすべきか。我々が常に向き合う命題の一つです。

 

理想としているのは、「自分の原稿と担当さんのご意見を突き合わせ、改めて考え抜き、第三の新しいアイデアとして発展させたものを生み出す」というかたち。そうすることで、より素晴らしい作品へとブラッシュアップできるのですね。すなわちアウフヘーベン止揚するわけです!

 

いつか創作論を聞かれたら上のようなことを言ってインテリぶろうと思っていたのですが、すっかり話題のキーワードになってしまいましたのでダメっぽいですね……。

前にも使われていて、その時は一度だけなら忘れられるかなあと思っていましたが、念押しみたいにまた使われてしまいましたし。

 

 

 

政治思想がどうというのではなく、話題になったからという理由でこういう言葉を使うような流行を追う軽佻浮薄マンだと思われるのはごめんです。ある意味アイハブアペーンとかなんでだろーとかを真似するよりダサいです。いやどっちも時代遅れだな。最新は何でしたっけ。イエーイジャスティス?

 

しかし無念だ……先を越されてしまった……。いやまあ、別に自分で思いついたわけではなく、ヘーゲルの考え方を借りてきて権威付けしようとしただけなので先を越されたも何もないのですが……。でもなあ、割とうまいことゆえたと思てましてん……。

 

 

ちなみに冒頭部分の話については、割と真面目にそう考えております。あくまで理想であって、実現できているかというとまだまだ全然なんですが。

実現できない理想を掲げるのは愚かだ、と思う向きもあるかもしれませんが、自分のような職業の場合は理想や目標は常に高めにした方がいいんではないかなーと。

 

「現実的になるべきだ」とリアリスト気取りで現状を追認し、自分の限界はここまでだと決める作業に終始していると、どんどん伸びしろが縮こまっていきます。

100メートル遠くまでものを投げようとして、実際には20メートルしか投げられなかったとしても、それを繰り返していると記録は伸びるかもしれません。

しかし20メートルしか投げられないんだから現実を見て行動しようと20メートル以上投げないようにしていたら、20メートルしか投げられないままで終わってしまうわけです。

 

 

明日からちょっくら出かけます。次の更新は多分金曜日。ではでは。

BGM: Kiss Of Fire / Symphony X